気になる症状

症状の代表的な原因疾患のみを挙げています。
参考程度に留め、眼科専門医の診察・診断を受けてください。

飛蚊症、網膜裂孔・網膜剥離(ひぶんしょう・もうまくれっこう・はくり)

明るいところで白い壁や青空をぼんやり見ていると目の前に何か飛んでいるように感じたことはないでしょうか?これが飛蚊症です。多くは硝子体の『にごり』によるものです。

この『にごり』が生じる原因には様々なものがあります。生理的なもの、加齢によるもの、中には病的なもの(網膜剥離、ぶどう膜炎、眼底出血等)もあります。

病気によるものに対しては、その疾患に応じた治療が必要になります。また、病気によるものの場合は症状に変化のある場合が多いですから、速やかに診察を受けてください。早期治療が大切なのです。

(裂孔原性)網膜剥離はボクサーや飛び込みの選手がかかりやすいのはよく知られていますが、もちろん一般の方がなることもあります。アトピー性皮膚炎等に続いて発症することもあります。人口1万人に対して0.6人~1人が発症するといわれていますので、川口・蕨の両市では35~55人程度という計算になります。

進行の程度や発生部位、原因等で治療法は大きく変わります。初期のものに対してレーザー照射で予防することもあります。

レーザー治療

黄斑疾患(おうはんしっかん)

眼の奥にあるフイルム(網膜)のうち、特に日常よく使う、最も大切な中心部のことを黄斑といいます。
ここは視細胞が密集しており、視力測定や読書などは主にこの部位を使って見ています。また色も主にこの部位で捉えます。

ですから黄斑が病気になると視力は一気に低下します。
しかも黄斑は解剖学的に特殊な構造をしているためにこの部に発生する疾患は実に多彩です。

また最近パキコロイド(脈絡膜肥厚)という疾患概念も注目され、これはアジア人の黄斑疾患解明の糸口になる可能性も秘めており盛んに研究されている分野でもあります。いずれにしても非常に重要な場所ですので、早期の正確な診断と適切な治療が求められます。

症状としては中心部が見えにくい、物がゆがんで見える、左右の見え方が異なる等があります。

疾患により治療法が異なります。特に大切な部位ですので、症状があれば自己判断はせずに早めに眼科専門医にご相談下さい。

当院では血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)阻害療法を実施しております。これは治療薬を眼内に直接注入する治療法です。

抗VEGF治療

視野欠損

視界の一部が欠けてしまう病気があります。これにも本当に様々な原因があり、緑内障・網膜剥離・眼底出血・網膜動脈閉塞・脳梗塞など枚挙に暇がありません。原因疾患により典型的なパターンをとることも多く、少しでも異変を感じたら先ず視野検査をお勧めします。初診でも予約なく検査可能です。

緑内障

緑内障というと、失明してしまう恐い病気と考える方も多いと思います。
しかし、最近では、非常に多い病気であり初期からキチンと管理すればそれほど恐れることはないと考えられるようになってきました。
40才以上の日本人の約17人に1人は緑内障の傾向があるという報告もあり、2005年の統計では糖尿病性網膜症を抜いて後天的な失明原因の第1位になりました。これは現在も続いております。

ボールや風船のように、眼はその内圧によって球形を維持しています。
眼の内圧のことを『眼圧』といいます。その『眼圧』により眼の奥の神経が圧迫され、弱ってくる病気が緑内障です。

神経が弱ってくると、視野(見える範囲)が狭くなってきてしまいます。ただし、自分では末期になるまでそのことに気づかないことがほとんどです。
ですから緑内障と診断されたら、定期的な検査・管理が大切になってきます。

治療は、視野の変化を注意深く見守りながら、必要に応じて投薬を開始します。末期にはレーザー治療や手術が必要になることもありますが、初期に発見・管理されれば手術にまでは至らない事がほとんどです。
また、レーザーのみで治療・予防できる種類の緑内障もあります。これは、かつて上皇后陛下が受けられ話題になったことがありますので、ご存知の方も多いと思います。

飛蚊症、網膜裂孔・網膜剥離(ひぶんしょう・もうまくれっこう・はくり)

明るいところで白い壁や青空をぼんやり見ていると目の前に何か飛んでいるように感じたことはないでしょうか?これが飛蚊症です。多くは硝子体の『にごり』によるものです。

この『にごり』が生じる原因には様々なものがあります。生理的なもの、加齢によるもの、中には病的なもの(網膜剥離、ぶどう膜炎、眼底出血等)もあります。

病気によるものに対しては、その疾患に応じた治療が必要になります。また、病気によるものの場合は症状に変化のある場合が多いですから、速やかに診察を受けてください。早期治療が大切なのです。

(裂孔原性)網膜剥離はボクサーや飛び込みの選手がかかりやすいのはよく知られていますが、もちろん一般の方がなることもあります。アトピー性皮膚炎等に続いて発症することもあります。人口1万人に対して0.6人~1人が発症するといわれていますので、川口・蕨の両市では35~55人程度という計算になります。

進行の程度や発生部位、原因等で治療法は大きく変わります。初期のものに対してレーザー照射で予防することもあります。

レーザー治療

糖尿病、糖尿病性網膜症

厚生労働省の統計によると、現在「糖尿病を強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」はそれぞれ人口の12.1%、両者合わせて2000万人となっています。
糖尿病は眼にさまざまな合併症を引き起こします。網膜症をはじめ、易感染性、角膜上皮障害、虹彩毛様体炎、眼球運動障害、白内障など、枚挙に暇がありません。

まず、糖尿病について簡単に説明します。
炭水化物(糖質)・タンパク質・脂質を3大栄養素といいますが、この中で速やかに使えるエネルギー源として大切な役割を担っているのが糖質です。糖尿病では、身体の細胞がこの糖質を利用しにくくなることにより、細胞の活力が失われ血管がもろくなり、様々な合併症が起こるのです。
そして網膜症もそのうちのひとつです。

糖尿病性網膜症は一言で言うと、眼の奥にあるフイルム(網膜)の循環が悪くなり、視機能障害を生じる病気です。
進行すると難治性の緑内障や網膜剥離を起こして失明することもあります。また、網膜の中心部(黄斑)が浮腫んで著しく視力が低下することもあります。
事実、長い間、糖尿病は日本人の後天性疾患による失明原因の第一位でした(2005年に緑内障に抜かれ、それ以降は現在まで第2位です)。

更に恐いのは末期まで自分では気付きにくいことです。症状が出る頃には手遅れというケースも決して稀ではありません。定期的な眼の検診をお勧めします。

治療としては局所的には網膜の循環障害部へのレーザー凝固等をおこなうことがあります。また黄斑部の浮腫みに対しては治療薬を眼内に直接注射する方法があります。
しかし、網膜症はあくまで全身疾患の部分症ですので、糖尿病の全身管理が前提となります。
内科と眼科の連携も大切です。

レーザー治療 抗VEGF治療

高血圧、網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)

高血圧やそれに伴う動脈硬化により、眼底に出血等の症状がみられることがあります。
糖尿病性網膜症同様、放っておくと難治性緑内障・網膜剥離・黄斑浮腫等を生じることがあります。
これらの予防のためにレーザー照射をおこなう場合があります。黄斑浮腫に対して治療薬を眼内に直接注射する方法もあります。

ちなみに網膜は実際に血管を直視できる唯一の場所であり、また発生学的には脳から直接分化しており、脳の血管の動脈硬化(進行すると脳梗塞等の原因にもなり得ます)の推測にも役立ちます。

レーザー治療 抗VEGF治療

白内障

眼のレンズにあたるところ(水晶体)が濁ってくる現象です。

年齢と共に全ての方に起こる変化ですが、個人差があります。ただし糖尿病や強度近視、アトピー性皮膚炎、膠原病等の病気に続発することもありますので注意が必要です。
症状は、軽いうちは、明るい場所が以前よりもまぶしく感じたり、逆光で物が暗く見えにくくなったり、夜間に照明の光が散って見えたりします。進行すると視力自体が低下します。

一度濁った水晶体はお薬では元には戻りませんので、濁りが強い場合には濁りを取り除く手術をおこないます。
手術は当院では、日帰り・局所麻酔で行っています。水晶体には神経がありませんので、局所麻酔でも痛みはありません。手術創は数ミリの最新の方法でおこないます。

濁りが軽い場合には手術をせずに、予防の点眼薬をつけて様子をみることもあります。点眼薬には、活性酸素やタンパク質の変性を抑える薬等が使われます。

当院では毎週火曜日の午後に日帰りで白内障手術をおこなっております。お気軽に御相談ください。

白内障日帰り手術

アトピー性皮膚炎と眼

アトピー性皮膚炎は現在非常に話題となっている疾患のひとつです。
米国では人口の約3%がこの疾患と診断されていますが、実は眼とも関連の深い疾患です。

アトピー性皮膚炎には3大眼合併症といわれるものがあります。
白内障・円錐角膜・網膜剥離がそれです。
その他にまぶたの肥厚やステロイド薬による緑内障、ヘルペスというウィルス等の感染性疾患、また非常に強い角結膜炎やドライアイ、角膜障害(黒目のキズ)等を起こすことがあります。

皮膚科と眼科の連携が大切となってきます。

糖尿病、糖尿病性網膜症

厚生労働省の統計によると、現在「糖尿病を強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」はそれぞれ人口の12.1%、両者合わせて2000万人となっています。
糖尿病は眼にさまざまな合併症を引き起こします。網膜症をはじめ、易感染性、角膜上皮障害、虹彩毛様体炎、眼球運動障害、白内障など、枚挙に暇がありません。

まず、糖尿病について簡単に説明します。
炭水化物(糖質)・タンパク質・脂質を3大栄養素といいますが、この中で速やかに使えるエネルギー源として大切な役割を担っているのが糖質です。糖尿病では、身体の細胞がこの糖質を利用しにくくなることにより、細胞の活力が失われ血管がもろくなり、様々な合併症が起こるのです。
そして網膜症もそのうちのひとつです。

糖尿病性網膜症は一言で言うと、眼の奥にあるフイルム(網膜)の循環が悪くなり、視機能障害を生じる病気です。
進行すると難治性の緑内障や網膜剥離を起こして失明することもあります。また、網膜の中心部(黄斑)が浮腫んで著しく視力が低下することもあります。
事実、長い間、糖尿病は日本人の後天性疾患による失明原因の第一位でした(2005年に緑内障に抜かれ、それ以降は現在まで第2位です)。

更に恐いのは末期まで自分では気付きにくいことです。症状が出る頃には手遅れというケースも決して稀ではありません。定期的な眼の検診をお勧めします。

治療としては局所的には網膜の循環障害部へのレーザー凝固等をおこなうことがあります。また黄斑部の浮腫みに対しては治療薬を眼内に直接注射する方法があります。
しかし、網膜症はあくまで全身疾患の部分症ですので、糖尿病の全身管理が前提となります。
内科と眼科の連携も大切です。

レーザー治療 抗VEGF治療

(両眼)複視

動物の目には見る目的に応じた仕組みが主に3パターンあります。「1.視界を広くとる」「2.部分的に拡大して遠くを詳しく見る」「3.立体的にみる」がそれです。
1.はシカの仲間などで、目が両端に付いています。草原で外敵を認識するのに適しています。
2.は(鳥類ですが)鷹などです。視力の中心を担う黄斑という組織が2つあり、そのうちの一つは遥か上空から小さな獲物を探し出せます。
3.にはヒトも含まれますが、目が前方に並んでついていて、左右の視差により物を立体的に捉えるのに適しています。大昔に樹上で木々を飛び移って生活するうちに進化したと考えられています。
両眼で物を立体的に見るために、ヒトには左右6対の眼球を動かす筋肉と3対の神経系があり、脳の中枢がそれらを巧みに連動させて眼球を協調運動させています。それらの仕組みのどこかに麻痺や機能障害が起きると眼球運動がスムースに連動しなくなり、左右の視点にズレができて物が二重に見えてしまいます。これには実に様々な原因があり、治療法や予後も原因により異なります。脳神経外科や内分泌内科などとも連携した注意深い精査が必要になります。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたにある油脂の分泌腺が無菌性に炎症を起こし、『しこり』ができてしまうもので、ものもらい(麦粒腫)の親戚にあたる疾患です。
特徴は、ものもらい程の強い炎症は起こらないのですが、治るまでに時間がかかるケースが多いことです。

治療としては点眼薬を使う方法と、ステロイド局所注射して『しこり』を吸収させる方法があります。注射は外来で短時間でおこなうことが可能です。
最近ではあまり行われなくなりましたが、場合によっては手術で取り除くこともあります。

40歳以上で、急速に拡大する場合は、ごく稀ですが悪性のこともあります(脂腺癌)。この場合、摘出したものに対して病理検査(顕微鏡で組織の診断をおこなう検査)をおこなうこともあります。

眼の癌

眼にも癌はできます。
眼瞼(まぶた)、結膜(白目の表面)、眼窩(眼の裏側)、網脈絡膜(眼の奥)、鼻涙管(涙の出口の管)等いろいろな部位に発生します。

小児で有名なのは網膜芽細胞腫です。瞳の奥が白っぽく見えたら要注意です。

脈絡膜には非常に悪性度の高い悪性黒色腫が有名です。
しかし眼原発のものは身体他部原発のものに比して悪性度は低いとは言われています。
脈絡膜は血流が多いため、転移癌も比較的多くみられます。特に胸部(乳癌や肺癌)からの転移が多いといわれています。

脈絡膜に関しては、良性腫瘍でも黄斑(物を見る中心部)付近に発症すると視力が低下することがあります。脈絡膜に発症する良性腫瘍として、脈絡膜血管腫や脈絡膜骨腫等があります。

白目の部分に見られるものとして扁平上皮癌があります。
またもう少し奥の眼窩といわれる部位には悪性リンパ腫ができ得ます。これは放射線によく反応します。

まぶたには、腺癌や(悪性度は低いのですが)基底細胞腫ができます。腺癌はものもらいや霰粒腫と区別が難しいことがあります。まぶたにできるものとしては非常に珍しいメルケル細胞癌も経験したことがあります。これは真紅の目立つ癌です。

また、転移もしないのに眼以外の癌の影響でまぶたが下がってきたり、眼球の中に強い炎症が起きることもあります。
脳腫瘍の影響で視野が狭くなってくることもあります。

はやり目・流行性角結膜炎

白目の表面には薄い粘膜が張っています。その膜を結膜といいます。
結膜が炎症を起こした状態が結膜炎です。

炎症の原因としてはいろいろ挙げられますが、そのうちの一つにウィルスによるものがあります。
はやり目はそのなかのひとつです。ウィルス性結膜炎は一般に感染力が非常に強い場合が多く、他人にうつす可能性があるので注意が必要です。

症状は充血、ゴロゴロする感じ、まぶしい感じ、めやに、症状の強い時にはリンパ節が腫れたり、発熱することもあります。

治療法ですが、残念ながら現在この類のウィルスを直接不活化させる薬はありません。抗生物質で二次感染を防ぎつつ、消炎剤で様子をみます。
症状がおさまるまで2週間程度はみてください。
但し、その後もしばらくまぶしさが残る場合もあります。

STD(性行為感染症)

性病も種々のものが眼へ感染します。
特に近年、クラミジアは若年層を中心に感染者が急増しており問題となっていますので、今回はこれに関してのみ記載します。

クラミジアには3つの種類がありますが、STDとして知られるのはそのうちの一つです。
他のものはペットから感染するとして少し前に話題になったオウム病や、肺炎を起こすものですが今回は割愛します。

STDを起こす種類はトラコマティスというタイプのものです。
これは尿道炎や子宮頸管炎・咽頭炎・現在は稀ですがそけいリンパ肉芽腫を起こします。眼に感染するとめやにのひどい強い結膜炎を起こします。性器から眼へは感染しますがその逆はないといわれています。
昔、国民病といわれたトラコーマ(トラホーム)はこのタイプの亜型が原因でした。

治療は、ある種の抗生物質は効きませんので、クラミジアに適応した薬剤を使用します。

治癒には多少時間を要しますが根気よく治療することが完治につながります。